山形正宗 夏ノ純米
山形県

山形正宗 夏ノ純米

蔵元: 水戸部酒造
純米 原料米: 雪めがみ(山形県産) 精米歩合 60%
★ 4.2
★★★★・
編集長 丸山評価

スペック

日本酒度
+1
酸度
1.7
アルコール度数
16%
価格目安
1,500〜2,000円
味わいレーダーチャート
香り甘みキレ余韻個性
4象限ポジション
辛口甘口淡麗濃醇 爽快・キレ系穏やか・優しい系どっしり辛口芳醇・甘口

料理ペアリング

枝豆・冷やしトマト 白身魚の昆布締め 冷しゃぶ 天ぷら(塩・冷酒で)

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編集長レビュー

編集長 丸山
日本酒愛好家・延べ1000銘柄を試飲

毎年、花火ラベルで初夏に登場するのが「夏ノ純米」。山形正宗の季節限定の夏酒で、暑い時季にキリッと冷やして飲むことに照準を合わせている。原料米には山形県産の雪めがみを使い、60%精米で仕立てる純米酒だ。熟成で旨みを乗せる秋あがりとは正反対の、若さと清涼感を前面に出したSKUである。

栓を開けると、バナナ系のフレッシュな香りがふわりと立ち、グラスの中にわずかな発泡感が見える。蔵共通の涼しい硬水の骨格に、夏酒らしい瑞々しさが重なって、見た目と香りだけで体感温度が下がるような第一印象がある。定番の純米吟醸が「通年の落ち着き」なら、こちらは「夏の数か月だけの軽やかさ」だ。

口に含むと、控えめで優しい甘みと旨みが乗ったあと、酸度1.7と微発泡のニュアンスが後口を一気に切っていく。日本酒度+1前後で甘辛は中庸寄りだが、酸とガス感のおかげで体感はとても爽快。レーダーで「キレ」を最高評価にしたのはこの抜群の切れ味ゆえだ。飲み方は、しっかり冷やした冷酒(8〜12℃)が断然おすすめ。燗には向かない、夏のためだけの設計になっている。

合わせたいのは、夏の食卓そのもの。枝豆や冷やしトマト、白身魚の昆布締め、冷しゃぶ、塩でいただく天ぷら。軽やかな旨みと鋭いキレが、暑さで重くなりがちな食欲をすっと立て直してくれる。濃厚な料理よりも、塩と素材で食べるさっぱりした皿に寄せるほど、この夏酒の清涼感が生きる。

四合瓶で1,500〜2,000円前後、出回るのは初夏から盛夏までの限定。秋あがりが「熟成」、稲造が「自社米」、酒未来が「華やかさ」を担うのに対し、夏ノ純米は「季節の涼」を受け持つ。一年を通して山形正宗を追うなら、暑い盛りに必ず一本は冷蔵庫に入れておきたい——そう思わせる、夏の定番だ。