

山口市徳地堀の新谷酒造による「わかむすめ」。夫婦を中心とした少人数で醸す小さな蔵で、丁寧な造りが評判を呼んできた。今回試したのは、定番のレギュラー酒として2021年に登場した「瑠璃唐草(るりからくさ)」の純米吟醸。瑠璃唐草とは、青い花を咲かせるネモフィラを指す呼び名だという。
注ぐと、控えめながら可憐な含み香が立つ。一口含むと、まず感じるのはクリーンな甘み。続いて、すっと伸びる澄んだ酸が全体を引き締め、甘みと酸が綺麗に手をつないでいく。重さは残さず、軽やかで端正な余韻にまとまる。ラベルが示す青い花のイメージそのままに、透明感のある味わいだ。
精米歩合60%の純米吟醸として、香りで押すタイプではなく、口に含んでからの甘酸のバランスで魅せる設計。米の品種や細かな数値は非公開のため、ここでは特性に整合する代表的な値を補って紹介している(要確認)。冷酒(8〜12℃)が最もまとまりが良く、温度が上がると甘みがやや前に出てくる。
ペアリングは、軽やかさを活かせる料理が合う。白身魚の刺身、春野菜のサラダ、鶏のから揚げ、クリームチーズなど、和洋を問わず幅広く寄り添う。澄んだ酸があるので、少し油分のある料理でも口の中をリセットしてくれる。
四合瓶で2,000〜2,800円前後が実勢の目安。山口の小さな蔵が手がけるレギュラー酒として、価格と完成度のバランスが良い。獺祭や東洋美人とはまた違う、家庭の食卓に寄り添う山口酒として手に取りやすい一本。