

精米歩合23%まで磨き上げた山田錦が、グラスに注いだ瞬間から華やかな吟醸香で空間を満たす。獺祭シリーズの最高峰として知られる「磨き二割三分」を、編集部としても改めて落ち着いて向き合ってみた。
第一印象は、ほぼ透明に近い淡い色合いと、洋梨やメロンを思わせる果実香。最初の一口は驚くほどなめらかで、口中で広がるのは穏やかな甘みと米由来の繊細な旨み。その後、すっと引いていくキレの良さが心地良い。後味は意外と早く消え、二口目を誘う。
辛口寄りの設計ではあるが、上品な甘みが残るので「辛口=シャープ」というよりは「クリアで端正な甘み」と表現したい。冷酒(8〜12℃)で開く香りが最も美しいが、12℃を超えると米の旨みが顔を出す。常温に戻していくと味の輪郭がぼやけるので、冷たい状態をキープする飲み方が良い。
ペアリングは、フレンチの前菜や白身魚の刺身、塩で食べる天ぷらなどの淡い味付けと相性が良い。香りが強い料理(ウニや脂の多い魚)と合わせると、せっかくの繊細な吟醸香が消えてしまう。
価格帯としては四合瓶で1万円を超えるが、年に数本「特別な日のため」に開けるなら推奨できる一本。家飲みでローテーションするには高価だが、純米大吟醸の世界観を知るうえで基準となる銘柄。