

大垣で1837年から続く三輪酒造の看板商品「白川郷 純米にごり酒」は、にごり酒という分野では全国区の知名度を持つ一本だ。伝統的などぶろくの製法を受け継ぎ、酒米だけでなく飯米も合わせて清酒の約2倍の米を使うため、ほかのにごりとは一線を画す濃厚さに仕上がっている。
栓を開けると白く厚みのある澱がたっぷりで、グラスに注ぐとヨーグルトのような乳酸系の甘酸っぱい香りが立つ。口に含めば、日本酒度-25という数字が示すとおりはっきりと甘いが、酸度2.0の酸が後ろからしっかり締めるので、ベタつかずに飲める。甘味と酸味のせめぎ合いがこの酒の個性で、米のつぶつぶした食感も楽しい。
アルコールは14.5度と低めで、口当たりが優しい分つい進むが、味は相当に濃い。よく冷やしてストレートで飲むのが基本だが、ロックにして溶けた氷でゆるめると、また違った軽やかさが出る。甘さが強いので食前や食後、あるいは少量をゆっくり、という飲み方が向く。
料理と合わせるなら、味噌や醤油ベースの鍋料理、白和え、それから意外なところでブルーチーズのような塩気と発酵感のある食材とよく合う。甘いデザート代わりに少しだけ、という楽しみ方もできる。
にごり酒に苦手意識がある人にも、まずこの一本を薦めたい。濃厚さと甘酸のバランスがよく、にごりというジャンルの面白さを過不足なく教えてくれる定番だ。