信州亀齢 純米吟醸 ひとごこち
長野県

信州亀齢 純米吟醸 ひとごこち

蔵元: 岡崎酒造
純米吟醸 原料米: ひとごこち 精米歩合 55%
★ 4.6
★★★★☆
編集長 丸山評価

スペック

日本酒度
+2
酸度
1.5
アルコール度数
16%
価格目安
1,800〜3,000円
味わいレーダーチャート
香り甘みキレ余韻個性
4象限ポジション
辛口甘口淡麗濃醇 爽快・キレ系穏やか・優しい系どっしり辛口芳醇・甘口

料理ペアリング

白身魚の刺身 魚介の天ぷら カルパッチョ 冷奴

この銘柄のタグ

編集長レビュー

編集長 丸山
日本酒愛好家・延べ1000銘柄を試飲

信州亀齢は、長野県上田市の岡崎酒造が醸す銘柄。城下町の小さな蔵だが、2013年以降に夫婦中心で酒造りを刷新してから一気に評価を上げ、いまや長野を代表する人気酒の一つに数えられる。流通量が多いわけではなく、見かけたら確保しておきたい部類の一本だ。今回は定番の純米吟醸「ひとごこち」(精米歩合55%・長野県産ひとごこち使用)を編集部で開けてみた。

グラスに鼻を寄せると、青リンゴや洋梨を思わせる穏やかな果実香に、わずかな含み香が乗る。獺祭や而今のような押し出しの強い吟醸香ではなく、立ち香は控えめで上品。みずみずしさが先に立つタイプで、香りで主張しすぎないぶん、食事に寄り添う設計だと最初の一嗅ぎで伝わってくる。

口に含むと、ひとごこちらしい素直な米の甘みと旨みが軽やかに広がり、そのあと後半ですっと引き締まってキレていく。甘み・酸・キレのバランスが良く、どこかが突出するのではなく全体が整っている。火入れの落ち着いた純米吟醸で、温度は10〜13℃あたりが最も表情が良い。冷やしすぎると香りが閉じ、常温に近づけると甘みがやや前に出てくるので、少し冷えた状態をキープして飲むと持ち味の透明感が活きる。なお日本酒度・酸度は蔵として公表していないため、ここでは飲用感から推定した代表値(日本酒度+2前後・酸度1.5前後)として扱っている。

ペアリングは、白身魚の刺身、魚介の天ぷら、カルパッチョ、冷奴といった淡麗で塩気の効いた和食・魚料理が好相性。みずみずしさとキレが料理の脂や塩を受け止め、口中をリセットしてくれる。逆に味の濃い煮込みや甘辛いタレ系と合わせると、繊細な果実感が埋もれてしまうので避けたい。食中酒として一杯目から最後まで飽きずに付き合える懐の深さがある。

価格は四合瓶で実勢おおむね1,800〜3,000円。火入れの定番であれば定価2,000円前後で買える良心的な設定で、人気ゆえ店舗によっては品薄やプレミアムが付くこともある。派手さで勝負するのではなく、果実感とキレのバランスで長く飲ませる、食卓向きの純米吟醸。日常の食中酒として置いておきたい完成度で、長野の地酒を知るうえでも基準になる一本だと編集部は評価する。(編集長 丸山)