

〆張鶴(しめはりつる)の純米最高峰が、この「純米大吟醸 GREEN LABEL」だ。山田錦を45%まで磨き、毎年3月ごろに限定出荷される。アルコール添加で輪郭を締める「金ラベル」に対し、こちらは純米で旨みの幅を残す方向の頂点。同じ宮尾酒造の大吟醸でも、足し算と引き算の思想がきれいに分かれている。
香りは、上品で穏やかな吟醸香。グラスから立つ芳香は控えめだが、含むと口の中で香りがふわりとふくらむタイプで、派手さではなく余白の使い方で勝負している。
味わいは、純米らしいふくらみが中盤に乗る。日本酒度+3・酸度1.3で、辛口に振り切らず、米の旨みと後味のキレを両立させた設計だ。light_richで見れば「金ラベル」よりわずかに中央寄りで、純米由来のボディがある分、飲みごたえがある。それでいて後切れは速く、淡麗系の血筋を裏切らない。
ペアリングは、旨みのある料理まで受け止められる。刺身盛り合わせ、鴨ロース、塩の焼き鳥、白和え。淡麗辛口の上位酒が苦手とする「少し脂やコクのある料理」も、純米のふくらみが受け止めてくれる。冷やしすぎず12〜15℃で香りの開きを待ちたい。
四合瓶でおおむね4,000〜4,600円。要冷蔵・クール便指定の春限定酒で、流通量は多くない。「金ラベル」が淡麗辛口を磨き切った頂点なら、GREEN LABELは純米でどこまで上品にできるかを示した頂点。二本を並べて飲むと、〆張鶴というブランドが持つ二つの方向性が一度に見える。