七田 純米
佐賀県

七田 純米

蔵元: 天山酒造
純米 原料米: 山田錦・レイホウ 精米歩合 65%
★ 4.3
★★★★・
編集長 丸山評価

スペック

日本酒度
+2
酸度
1.7
アルコール度数
17%
価格目安
1,400〜1,900円
味わいレーダーチャート
香り甘みキレ余韻個性
4象限ポジション
辛口甘口淡麗濃醇 爽快・キレ系穏やか・優しい系どっしり辛口芳醇・甘口

料理ペアリング

唐揚げ 豚の角煮 おでん 焼き鳥

この銘柄のタグ

編集長レビュー

編集長 丸山
日本酒愛好家・延べ1000銘柄を試飲

佐賀県小城市・天山酒造の「七田(しちだ) 純米」は、限定流通ブランド「七田」のスタンダードに位置づけられる一本だ。七割五分磨きで名を上げた蔵だが、こちらは精米歩合65%まで磨き、麹米に山田錦、掛米にレイホウを使う。蔵の看板である「低精米でも旨い」という哲学を、より日常的な価格と飲み口に落とし込んだ通年商品である。

七割五分磨きが「米の塊」とも言える濃密さで個性を主張するのに対し、この純米は精米をひと段階進めたぶん、輪郭が整っている。香りは穏やかで、含むと米の旨みが素直に広がり、日本酒度+2・酸度1.7の数字どおり、後口は甘ったるさを残さず素早く引いていく。骨太さと飲み疲れしない軽快さのバランスが、このSKUの立ち位置を物語っている。

アルコール度数は17度とやや高めで、味の密度がしっかりしているため、冷やしすぎず10〜15℃あたりが旨みを感じやすい。ぬる燗にすると旨みがふくらみ、酸が和らいで丸くなる。家庭で温度を振りながら最も気軽に遊べるのが、この一本の美点だと思う。

ペアリングは、油や醤油のコクがある家庭料理が好相性だ。唐揚げ、豚の角煮、おでん、焼き鳥。料理の脂を酸が切り、米の旨みが下支えする。七田らしい「料理に寄り添いながら負けない」性格が、肩肘張らない献立でこそ生きる。

四合瓶で1,400〜1,900円前後と、七田入門としても普段使いとしても手に取りやすい。七割五分磨きや純米吟醸へ進む前の「基準点」として、まずここを押さえておくと、同じ蔵の磨き違いの差が立体的に見えてくる。