

佐賀県小城市の天山酒造による「七田(しちだ) 純米七割五分磨き」は、あえて磨きを抑えた「低精米」純米酒のシリーズで全国的人気を獲得した銘柄。「磨かなくても旨い米だから磨かない」という哲学が、現代日本酒の流れに一石を投じた。
精米歩合75%(ほぼ精米しない)で仕込まれているため、米本来の香味成分がそのまま酒に乗る。香りは穏やかで、含み香に米の甘い香りと穀物様のニュアンス。一口含むと、米の濃厚な旨みが厚く広がり、その奥から心地良い酸が骨格を支える。「米の味の塊」という形容が近い。
冷酒(10〜13℃)でも美味しいが、燗酒(45〜50℃)にすると米の旨みが膨らみ、別の表情を見せる。温度帯ごとの変化を楽しめる懐の深さがある。
ペアリングは、しっかりとした味付けの料理。焼き魚、煮物、もつ煮、鶏料理。米の力強さが料理のコクと共鳴する。
四合瓶で2,200〜3,000円とコストパフォーマンスも良好。「精米歩合と味わいの関係」を考えるための重要な一本。