黒龍 垂れ口
福井県

黒龍 垂れ口

蔵元: 黒龍酒造
本醸造 原料米: 五百万石 精米歩合 65%
★ 4.3
★★★★・
編集長 丸山評価

スペック

日本酒度
-7
酸度
1.6
アルコール度数
18.0%
価格目安
1,200〜1,500円
味わいレーダーチャート
香り甘みキレ余韻個性
4象限ポジション
辛口甘口淡麗濃醇 爽快・キレ系穏やか・優しい系どっしり辛口芳醇・甘口

料理ペアリング

あん肝 牡蠣(生) 白子ポン酢 ブリの照り焼き

この銘柄のタグ

編集長レビュー

編集長 丸山
日本酒愛好家・延べ1000銘柄を試飲

辛口でキレる——という黒龍の一般的なイメージを、毎冬きれいに裏切ってくるのが「垂れ口」だ。搾り口(垂れ口)から滴る一番搾りをそのまま瓶詰めした本醸造の生原酒で、11〜12月だけの季節限定。同じ蔵とは思えないほど濃く、甘く、滑らかな顔を見せる。

日本酒度-7・アルコール18度・酸度1.6。数字だけ見ても他の黒龍とは別物だとわかる。火入れも加水もしない生原酒だから、口に含むと搾りたての炭酸由来のピチピチ感と、五百万石のふくよかな甘みが一気に押し寄せる。それでいて重さで終わらせず、最後に黒龍らしい締まりが顔を出す。この「濃いのに野暮ったくない」着地が職人技だ。

通年の純吟やいっちょらいが透明感とキレで語られるのに対し、垂れ口は旨みと甘み、そして度数の厚みで押す真逆のキャラクター。同じ五百万石でも精米歩合は65%とあえて低く磨き、米の旨みを残す設計にしている。蔵が温度や季節で表情を描き分けているのがよくわかる。

冷酒(8〜10℃)であん肝や白子、生牡蠣といった冬の濃厚な肴に合わせると、酒の甘みと旨みが脂を包み込む。度数が高いぶん、ロックや少量をじっくり、という飲み方も合う。四合瓶1,200〜1,500円とは思えない満足感がある。

毎年これが出ると福井の冬が来たと感じる人は多い。黒龍を「辛口の蔵」と決めつけている人にこそ、この季節限定の一本を飲んでほしい。蔵の振れ幅の広さを実感できる。