大治郎 純米 火入れ
滋賀県

大治郎 純米 火入れ

蔵元: 畑酒造
純米 原料米: 吟吹雪 精米歩合 60%
★ 4.3
★★★★・
編集長 丸山評価

スペック

日本酒度
+3
酸度
2.0
アルコール度数
17%
価格目安
1,400〜1,800円
味わいレーダーチャート
香り甘みキレ余韻個性
4象限ポジション
辛口甘口淡麗濃醇 爽快・キレ系穏やか・優しい系どっしり辛口芳醇・甘口

料理ペアリング

鴨ロース 焼き鳥(タレ) 煮物 出汁巻き卵

この銘柄のタグ

編集長レビュー

編集長 丸山
日本酒愛好家・延べ1000銘柄を試飲

滋賀県東近江市の畑酒造が、地元産の酒米「吟吹雪」を100%使った定番純米酒。蔵元の名を冠した「大治郎」シリーズの中でも、火入れの純米はこの蔵の基準を測るのにちょうど良い一本だと感じている。精米歩合60%、アルコール17度と、いわゆる華やかな吟醸タイプとは別方向の、骨格のある食中酒だ。

注いだ印象は淡い山吹色で、香りは控えめ。穀物や炊いた米を思わせる落ち着いたトーンで、グラスから立ち上がる華やかさを期待するタイプではない。その分、口に含んだときの密度が高い。最初に米の甘みがふわりと来て、すぐに酸度2.0のしっかりした酸が後ろから押し上げてくる。甘・旨・酸が一塊になって口中で膨らむ感覚で、飲み応えがある。

日本酒度は+3前後で数字上は辛口寄りだが、酸が強いぶん「キレる辛口」というより「旨みを酸でまとめた辛口」という表現が近い。冷酒(10〜13℃)だと酸の輪郭がくっきり出て、ひと夏の食卓に合う涼やかさになる。一方で常温からぬる燗(40〜45℃)に振ると、米の旨みが一段ふくらんで酸が丸くなり、こちらの方が大治郎らしさが出ると私は思う。燗冷ましまで美味しく追える懐の深さがある。

合わせたいのは、味の輪郭がはっきりした和食。タレの焼き鳥、鴨ロース、出汁の効いた煮物、出汁巻き卵あたりは、酒の酸が脂や甘辛さをすっと洗ってくれて箸が進む。淡白すぎる白身の刺身よりは、少ししっかりした料理の方が拮抗する。

価格は四合瓶で1,400〜1,800円ほど(実勢)。この値段でこれだけ酸とコクのバランスが取れた純米が日常に置けるなら、コストパフォーマンスは十分高い。派手さで選ぶ酒ではないが、食事と一緒に毎晩ローテーションしたくなる地酒だ。