

浦霞のラインの頂点に近い位置にあるのが、この「山田錦 純米大吟醸」。地元向け純米吟醸が宮城県産「蔵の華」で日常に寄り添う酒なら、こちらは兵庫の山田錦を精米歩合45%まで磨き上げ、米のポテンシャルを限界まで引き出した一本。同じ蔵の「禅」(50%磨き)よりさらに一段、磨きと余韻で格が上がっている。
香りは派手に主張せず、上品で落ち着いた吟醸香。含むと山田錦らしい厚みのあるうま味と、磨きの効いた綺麗な甘みがゆっくり広がる。日本酒度+1〜+2、酸度1.5で、甘辛のバランスは中庸。アルコール16度のしっかりした骨格を持ちながら、後口は綺麗に締まり、余韻が長く尾を引く。この余韻の伸びが大吟醸クラスの真骨頂だ。
温度は10〜13℃。冷やしすぎず、ワイングラスでゆっくり香りを開かせると、山田錦の輪郭がよく見える。化粧箱入りで流通し、贈答や特別な日の一本として安心して選べる。
合わせるなら繊細な料理。白身魚や鯛の刺身、上等な鮨、蟹、出汁の効いた椀物。濃い味付けよりも、素材の旨味を素直に楽しむ皿のほうが、この酒の上品さと響き合う。
四合瓶で3,500〜4,500円前後。「蔵の華」の地元密着版から「禅」、そしてこの山田錦純米大吟醸へと、磨きと米を上げていく浦霞の階段を体感できる頂点。蔵の技術を一本で味わいたいなら、迷わずこれを勧める。