山梨県

谷櫻 純米

蔵元: 谷櫻酒造
純米 原料米: 山梨県産米 精米歩合 65%
★ 3.9
★★★☆・
編集長 丸山評価

スペック

日本酒度
+2
酸度
1.5
アルコール度数
15%
価格目安
1,300〜1,500円
味わいレーダーチャート
香り甘みキレ余韻個性
4象限ポジション
辛口甘口淡麗濃醇 爽快・キレ系穏やか・優しい系どっしり辛口芳醇・甘口

料理ペアリング

焼き魚 鶏の照り焼き 煮物 ほうとう

この銘柄のタグ

編集長レビュー

編集長 丸山
日本酒愛好家・延べ1000銘柄を試飲

八ヶ岳の南麓、山梨県北杜市大泉に蔵を構える谷櫻酒造の純米酒。標高の高い高冷地の蔵らしく、八ヶ岳の伏流水と山梨県産の良質米を使って醸す。今回試したのは定番純米にあたる「北の杜」(精米歩合65%)で、四合瓶でおよそ1,300円台という日常価格帯の一本。編集長 丸山が卓上で向き合った。(※日本酒度・酸度はSKU非公開のため、味の印象から八ヶ岳の軟水・地元米らしい代表値として日本酒度+2前後・酸度1.5前後と置いて評価している)

注いだ色はごく淡い山吹色。立ち香は穏やかで、炊いた米とわずかに穀物的な含み香がうっすら立つ。吟醸香を狙った酒ではなく、香りで主張しないタイプ。鼻を近づけて初めてほのかな甘い香りを拾える程度で、終始 食卓の脇に控える設計だと感じる。

味わいは、入り口にやわらかな旨みが乗り、中盤で米のふくらみが穏やかに広がる。甘みは中庸で、後半は八ヶ岳の水らしい軽やかなキレがすっと引いていく。突出した要素がない代わりに角もなく、飲み飽きしない安定感がある。冷酒(10〜13℃)ではすっきりと、人肌〜ぬる燗(40〜45℃)に振ると旨みがふくらんで丸くなる。精米歩合65%らしい米の厚みは、燗で温めたときにより素直に出てくる。

合わせたいのは、八ヶ岳南麓の家庭の食卓を思わせる料理。焼き魚や鶏の照り焼き、根菜の煮物といった出汁と塩気のある和食に寄り添い、地元の郷土食ほうとうのような味噌仕立てとも相性が良い。香りで主張しないぶん料理を選ばず、食中酒として終始邪魔をしない。

派手さで記憶に残る酒ではないが、価格と内容のバランスがよく、毎日の晩酌に置いておける一本。高冷地の蔵が醸す純米の「平熱の旨さ」を確かめたいときに、まず手に取りやすい山梨の地酒だと感じた。