

写楽の冬を告げるのが、このおりがらみ 弐だ。「弐」が示す通り、12月と1月の二度に分けて出荷される季節限定酒のうちの後発ロットで、毎年その登場を待つファンが多い。火入れの定番ラインとは別軸の、写楽の遊び心が出たSKUと言っていい。
使用米は五百万石、精米歩合は50%。定番の純米吟醸が火入れで落ち着いた酒質を狙うのに対し、このおりがらみは生酒で、しかも澱(おり)をあえて絡めて瓶詰めする。フレッシュさと旨みを同時に閉じ込めた、攻めの設計である。
最大の特徴は、開栓時にうっすら残る微発泡感だ。グラスに注ぐと白く霞んだ酒の中で細かなガスがはじけ、口に含むと五百万石らしい瑞々しい甘みと澱由来のコクが押し寄せる。日本酒度はやや甘口寄りに振れ、新酒らしい軽快さと厚みが同居する。冷やしてそのまま味わいたい。
ペアリングは旨みと脂のある冬の食材が合う。牡蠣の酒蒸し、白子ポン酢、クリームチーズ、サーモンの刺身。微発泡が口中をリセットしてくれるので、こってりした皿とも好相性だ。
四合瓶の実勢はおおむね2,500〜3,200円。ただし季節限定かつ生酒のため流通期間が短く、見かけたら即確保が鉄則。定番ラインとは違う「もう一つの写楽」を知るための一本である。