鳴海 純米
千葉県

鳴海 純米

蔵元: 東灘醸造
純米 原料米: 千葉県産ふさこがね 精米歩合 60%
★ 4.1
★★★★・
編集長 丸山評価

スペック

日本酒度
+2
酸度
1.4
アルコール度数
15%
価格目安
1,600〜1,900円
味わいレーダーチャート
香り甘みキレ余韻個性
4象限ポジション
辛口甘口淡麗濃醇 爽快・キレ系穏やか・優しい系どっしり辛口芳醇・甘口

料理ペアリング

白身魚の刺身 焼き魚 天ぷら(塩) 煮物

この銘柄のタグ

編集長レビュー

編集長 丸山
日本酒愛好家・延べ1000銘柄を試飲

千葉県勝浦市、外房の港町に蔵を構える東灘醸造が「鳴海(なるか)」を立ち上げたのは2006年のこと。看板銘柄「東灘」とは別に、香味に個性を持たせた現代的な食中酒を狙った新シリーズで、地元産の酒米にこだわるのが大きな特徴だ。今回試したのはその純米。グラスに注ぐとごく淡い色合いで、まずは外房の風土を意識しながら向き合った。

香りは穏やかで、立ち上がりに派手な吟醸香はない。鼻を近づけると、炊いた米のようなふくよかさと、ごくわずかに白い花を思わせる含み香が感じられる程度。千葉県産のふさこがねを精米歩合60%で仕込んだ酒らしく、香りで主張するのではなく口に含んでから旨みで語るタイプだと受け取った。クリアで雑味のない立ち上がりが好印象だ。

一口含むと、米由来のやわらかな旨みが舌の中央に乗り、すぐに軽快なキレが追いかけてくる。日本酒度・酸度ともに蔵は数値を公表していないが、飲んだ印象では中庸からやや辛口寄りで、酸は穏やか(本稿の数値はSKUの味わいに基づく編集部推定)。後口はすっと締まって重さを残さない。冷酒(10〜13℃)で輪郭が締まり、常温に戻すと米の甘みがゆるく開く。温度を上げすぎなければ表情の振れ幅も楽しめる。

合わせる料理は和食の食中酒として幅広い。地元・外房の海の幸を思えば、白身魚の刺身や焼き魚、塩で食べる天ぷらといった淡い味付けと素直に寄り添う。出汁を効かせた煮物とも相性がよく、料理の風味を立てながら口中をリセットしてくれる。香りが穏やかなぶん食材を邪魔せず、食事のテンポを整える役回りに長けている。

四合瓶で1,600〜1,900円前後と、地酒の純米として手に取りやすい実勢。派手な希少銘柄ではないが、地元の米で外房の食に寄り添う一本として実直な完成度を持つ。海辺の蔵が醸す食中純米として、千葉の地の魚介と合わせながら日常の晩酌に置きたい銘柄だ。