
水の都・松江に蔵を構える國暉酒造が、定番路線とは別の文脈で出してきたのがこの-RED-だ。精米歩合75%とあえて磨かず、アルコールも14%に抑え、心地よい酸味を前面に出した純米酒。日本酒というより、軽めの白ワインや酸味系のサイダーに近い飲み口を狙っている。
グラスに注ぐと、立ち香はおだやかだが、含むと甘みと酸が同時に来る。糖度の高い果実を齧ったような甘酸っぱさで、後口はそれほど引きずらない。アルコール14%という設定が効いていて、一杯目から肩肘張らずに飲める。日本酒の重さが苦手な人ほど、この軽さに驚くはずだ。
合わせるなら、刺身や煮物より洋の前菜が断然いい。トマトと生ハム、ピザの一切れ、あるいは食後にフルーツと一緒に。酸味が料理の脂を流してくれるので、食前酒としても食中酒としても回せる。冷蔵庫でよく冷やして、ワイングラスで出すと雰囲気も含めて成立する。
原料米・日本酒度・酸度は公開値が確認できなかったため、山田錦・日本酒度-5・酸度2.0という数値は甘酸っぱい設計から逆算した推定として置いている。確定しているのは精米歩合75%とアルコール14%で、ここが商品の骨格だ。
四合瓶で1,000円前後と、純米としては手に取りやすい価格。日本酒の入り口に置く一本としても、酸味系が好きな人の常備酒としても使い勝手がいい。