賀茂鶴 大吟醸 双鶴
広島県

賀茂鶴 大吟醸 双鶴

蔵元: 賀茂鶴酒造
大吟醸 原料米: 山田錦 精米歩合 32%
★ 4.6
★★★★☆
編集長 丸山評価

スペック

日本酒度
+3.5
酸度
1.3
アルコール度数
16%
価格目安
4,500〜5,500円
味わいレーダーチャート
香り甘みキレ余韻個性
4象限ポジション
辛口甘口淡麗濃醇 爽快・キレ系穏やか・優しい系どっしり辛口芳醇・甘口

料理ペアリング

白身魚の薄造り 車海老の塩焼き 鴨ロース フルーツ

この銘柄のタグ

編集長レビュー

編集長 丸山
日本酒愛好家・延べ1000銘柄を試飲

双鶴(そうかく)は、賀茂鶴酒造の大吟醸ラインの最上位に位置づけられる旗艦銘柄だ。同じ大吟醸でも、特製ゴールドが「酒造好適米を50%まで磨いた華やかな贈答酒」だとすれば、双鶴は山田錦を32%まで磨き込んだ、いわば蔵の技術の限界に挑む一本。精米歩合32%という数値は、米の実に7割近くを削り落とすことを意味し、ここまで磨くと残るのは芯の透明な旨みだけになる。賀茂鶴という大蔵が「最高峰」と銘打って世に問う酒であり、価格も720mlで実勢4,500〜5,500円とグレードが一段違う。

抜栓した瞬間に立ち上がる香りは、特製ゴールドの華やかさをさらに突き詰めたような、果実感の強い吟醸香だ。メロンやライチを思わせる甘やかなアロマが密度高く広がり、グラスを傾けるたびに香りが層になって押し寄せる。山田錦を極限まで磨いた米だからこその、雑味が一切ない澄んだ香り立ちで、香りだけで完成された酒と感じさせる。

口当たりは絹のようになめらかで、味わいは香りの華やかさとは裏腹に、日本酒度+3.5のキレた骨格を持つ。甘さに寄り切らず、中盤で米の旨みがすっと伸びたあと、酸度1.3前後の引き締めで後口は驚くほどクリーンに切れる。32%精米の透明感が、余韻に長く上品な旨みを残しながら、最後はすっと消えていく。この「華やかさ」と「キレ」の同居こそ、最上位大吟醸の真骨頂だ。

温度は冷酒(7〜10℃)一択に近い。よく冷やすことで香りの輪郭が締まり、繊細な味わいが端正に整う。ペアリングは白身魚の薄造りや車海老の塩焼きといった淡く上質な肴のほか、鴨ロースのような旨みのある料理にも、酒の格負けせず寄り添う。香りが華やかなので、デザート的にフルーツと合わせて食後酒として楽しむのも面白い。

編集長丸山としては、双鶴は「日常の一本」ではなく、節目や祝いの席、あるいは大切な人への贈り物として勧めたい酒だ。同じ賀茂鶴でも、純米吟醸や上等酒が食卓の実用酒、特製ゴールドが華やかな定番贈答酒だとすれば、双鶴はその頂点。山田錦を32%まで磨くと日本酒がどこまで澄むのか、その答えを一度体験する価値のある、広島・西条を代表する最高峰の大吟醸だ。