

広島市安芸区に蔵を置く梅田酒造場の「本洲一」は、無濾過の純米酒で評価を高めてきた蔵。なかでも「Doors」シリーズは若い造り手の感性が前面に出たラインで、今回の-fresh-は八反錦を使ったおりがらみの生酒。瓶の底にうっすら澱がまとわりつく、いかにも搾りたての一本だ。
栓を開けると、ぷちぷちと微発泡のガスが鼻に届き、青リンゴやマスカットを思わせるフレッシュな香りが立ち上がる。アルコール14度という低めの設計で、口あたりはとても軽い。日本酒度-2のやや甘口で、おりがらみらしい乳酸を含んだまろやかな甘みが舌に広がる。酸度1.9のしっかりした酸が支えるので、甘ったるくならず、後口はすっきり。
冷蔵庫でよく冷やして、生酒の鮮度をそのまま楽しむのが正解。澱を絡める前のクリアな上澄みと、瓶を軽く回して澱を立てたあとの濃厚な味、二つの表情を一本で味わえるのも、おりがらみの面白さだ。開栓後はガスが抜けて味が落ち着くので、できれば数日で飲み切りたい。
食事は前菜やオードブルとよく合う。白身魚のカルパッチョや生ハム、クリームチーズといった、酸味や塩気のある冷たい一皿が、酒のフレッシュな甘酸っぱさと響き合う。和食より、むしろ洋風の軽い料理に寄せた方が魅力が出る。
伝統的な広島の食中酒とは違う、現代的で軽快な一本。日本酒を飲み慣れない人や、白ワイン感覚で楽しみたい人にも勧めやすい。八反錦という地元米を、こんなにモダンに表現できるのかと感心させられた。