龍力 特別純米 米のささやき
兵庫県

龍力 特別純米 米のささやき

蔵元: 本田商店
純米 原料米: 兵庫県特A地区産山田錦 精米歩合 45%
★ 4.3
★★★★・
編集長 丸山評価

スペック

日本酒度
+2
酸度
1.5
アルコール度数
16.5%
価格目安
1,700〜2,000円
味わいレーダーチャート
香り甘みキレ余韻個性
4象限ポジション
辛口甘口淡麗濃醇 爽快・キレ系穏やか・優しい系どっしり辛口芳醇・甘口

料理ペアリング

焼き魚 煮物 肉じゃが おでん

この銘柄のタグ

編集長レビュー

編集長 丸山
日本酒愛好家・延べ1000銘柄を試飲

栓を開けて最初に伝わるのは、派手さよりも芯の太さだ。本田商店の「龍力」は兵庫県特A地区産の山田錦にこだわる蔵で、米のささやきの名のとおり、香りで勝負するのではなく米そのものの輪郭を聞かせてくる一本。グラスに注ぐと、わずかに黄味を帯びた色合いに、これは飲み応えがありそうだと姿勢を正したくなる。

香りは控えめで、炊きたての米やほのかな栗、奥に熟れたメロンを思わせる含み香が漂う。立ち香で主張するタイプではなく、口に含んでから鼻に抜ける含み香で本領を発揮する。吟醸系の華やかさを期待すると肩透かしを食うが、食卓に置く酒としてはこの抑制が効いている。

味わいは、山田錦らしい旨みのふくらみが中心。日本酒度+2、酸度1.5という数値が示すとおり、甘辛でいえばやや辛口の骨格に、米の甘みと旨みが厚く乗る。冷酒(10〜13℃)では旨みが引き締まってキレが立ち、常温では甘旨がほどけて穏やかになる。真価が出るのはぬる燗(40℃前後)で、温度を上げると旨みが一段ふくらみ、後口のキレと相まって杯が進む。冷やから燗まで幅広く付き合える設計だ。

ペアリングは、出汁や醤油を効かせた家庭料理と相性が良い。焼き魚、肉じゃが、筑前煮のような煮物、寒い季節ならおでんを温めの燗と合わせたい。淡い前菜よりも、しっかり味の付いた主菜に寄り添うほうがこの酒の旨みが活きる。逆に繊細すぎる白身の刺身だと、酒の旨みが料理を上回ってしまう場面もある。

価格は四合瓶で1,700〜2,000円前後と、特A地区産山田錦を使った特別純米としては良心的な実勢価格。日常の晩酌に常備でき、冷やしても温めても崩れない懐の深さがある。派手な銘柄に隠れがちだが、食中酒の基準点として一本置いておきたい実力派、というのが編集部の評価。