郷乃誉 純米大吟醸 無濾過 生々
茨城県

郷乃誉 純米大吟醸 無濾過 生々

蔵元: 須藤本家
純米大吟醸 原料米: 笠間産 亀の尾系コシヒカリ 精米歩合 50%
★ 4.5
★★★★☆
編集長 丸山評価

スペック

日本酒度
+5
酸度
1.3
アルコール度数
16%
価格目安
2,200〜2,800円
味わいレーダーチャート
香り甘みキレ余韻個性
4象限ポジション
辛口甘口淡麗濃醇 爽快・キレ系穏やか・優しい系どっしり辛口芳醇・甘口

料理ペアリング

白身魚の刺身 前菜 鶏の塩焼き 天ぷら

この銘柄のタグ

編集長レビュー

編集長 丸山
日本酒愛好家・延べ1000銘柄を試飲

須藤本家は茨城県笠間市の蔵元で、創業を1141年と伝える「日本最古級」とも紹介される歴史を持つ(蔵元・販売各店の説明による。確定史料の範囲は要確認)。2001年以降は純米酒のみを醸し、笠間産の米と地下水だけで仕込む方針を掲げている。その定番が、白ラベルの郷乃誉 純米大吟醸 無濾過 生々。栓を開けると、まず微発泡を思わせる若々しいガスのニュアンスと、青みのある透明感が立ち上がる。冷蔵庫から出したての一杯目は、生々ならではのフレッシュさが前面に出て、口当たりは軽快だ。

香りは派手すぎず、しかし確かに華やか。洋ナシや青リンゴ、わずかに白い花を思わせる上立ち香が、米由来の穏やかな含み香と重なる。亀の尾系コシヒカリを50%まで磨いた酒らしく、香りは飲用米由来の素朴さと吟醸らしい清涼感の中間に位置する印象。グラスを揺らすと、香りの輪郭がよりはっきりと立ってくる。

味わいは日本酒度+5・酸度1.3のスペックどおり、甘さに寄りかからない辛口寄りの設計。含むとまず軽い甘旨が触れ、すぐに酸とキレが追いかけてきて、後口はすっと締まる。アルコール度数は15〜16%帯で、生酒らしい瑞々しさが最後まで残る。温度帯は冷酒(8〜12℃)が最も表情が整い、フレッシュさと透明感を両立する。10℃を超えて温度が上がると米の旨みがふくらむ一方、香りの繊細さはやや後退するので、編集部としては低めの温度をキープして飲むのを勧めたい。

ペアリングは、白身魚の刺身、前菜の盛り合わせ、鶏の塩焼き、塩で食べる天ぷらといった淡い味付けと好相性。酸とキレがあるぶん和食の食中酒として座りが良く、洋食の前菜にも寄り添う。一方で、香りの強い濃い味付けや脂の多い料理に合わせると、せっかくの清涼感が埋もれやすい。あくまで料理を引き立てる脇役として機能するタイプだ。

価格は四合瓶で実勢2,200〜2,800円ほど。純米大吟醸でこの価格帯、しかも生々の鮮度まで楽しめる点を踏まえると、コストパフォーマンスはかなり高い。編集長・丸山の総評としては、派手な甘旨ジューシー系とは対極の、辛口寄りで端正なフレッシュ純米大吟醸。歴史ある蔵の「定番」を、気負わず日常の食卓で開けられる一本として推せる。生酒のため要冷蔵・早めの開封を前提に楽しみたい。