来福 純米吟醸 雄町 生原酒
茨城県

来福 純米吟醸 雄町 生原酒

蔵元: 来福酒造
純米吟醸 原料米: 雄町 精米歩合 50%
★ 4.3
★★★★・
編集長 丸山評価

スペック

日本酒度
+5
酸度
1.7
アルコール度数
17%
価格目安
1,650〜1,900円
味わいレーダーチャート
香り甘みキレ余韻個性
4象限ポジション
辛口甘口淡麗濃醇 爽快・キレ系穏やか・優しい系どっしり辛口芳醇・甘口

料理ペアリング

豚の角煮 焼き鳥(タレ) 牛すじ煮込み 鴨ロース

この銘柄のタグ

編集長レビュー

編集長 丸山
日本酒愛好家・延べ1000銘柄を試飲

来福(らいふく)の花酵母シリーズのなかで、最も飲み応えのある一本がこの純米吟醸 雄町 生原酒。茨城県筑西市・来福酒造が、岡山県産の酒造好適米「雄町」を50%まで磨き、「ベゴニア」の花酵母で仕込み、無濾過の生原酒として詰めたものだ。雄町は旨みの厚い米として知られ、それを生原酒で出すという時点で、軽快さよりも酒の力で勝負する方向だとわかる。来福の華やかな花酵母路線の、ボリューム担当といえる位置づけ。

香りはベゴニア花酵母由来の華やかさを持ちつつ、生原酒らしいフレッシュさと若さが前に出る。山田錦版や愛山版の整った吟醸香とは方向が違い、立ち香はやや控えめで、その分、口に含んでからの厚みで勝負するタイプ。鼻に近づけるとバナナや熟した果実を思わせる甘い香りが顔を出すが、全体としては香りで主張するより味で押す造りだ。

口当たりはどっしりと芳醇で、雄町らしい旨みがしっかり広がる。アルコール17度・日本酒度+5・酸度1.7(蔵元・販売店公表値)という数字が示すとおり、甘みより旨みと辛口のキレが主役で、後味はキリッと締まる。酸が高めなので、濃い味わいでも後口がだれず、余韻に芯が通る。生原酒ゆえの飲みごたえがあり、冷酒(8〜12℃)でキレを楽しむのが基本だが、常温に寄せると雄町の旨みがいっそう開く。

ペアリングは、豚の角煮、タレの焼き鳥、牛すじ煮込み、鴨ロースなど、味の濃い料理や脂のある肉料理が好相性。山田錦版・愛山版が淡い和食に寄り添う食中酒だったのに対し、雄町版は濃い料理に真っ向から拮抗できる。むしろ淡白な料理だと酒のほうが勝ってしまうので、料理の側に重さを用意してやりたい。

価格は四合瓶(720ml)で実勢1,650〜1,900円ほど。生原酒・無濾過の雄町を、この価格で楽しめるのは率直に強い。同じ来福の花酵母仕込みでも、山田錦=端正、愛山=華やかでふくよか、雄町=芳醇で辛口と、米と酵母の組み合わせで性格がはっきり分かれる。濃い料理に合わせる一本が欲しいなら、来福の中ではこの雄町を選びたい。