来福 純米吟醸 愛山
茨城県

来福 純米吟醸 愛山

蔵元: 来福酒造
純米吟醸 原料米: 愛山 精米歩合 50%
★ 4.3
★★★★・
編集長 丸山評価

スペック

日本酒度
+1
酸度
1.1
アルコール度数
15%
価格目安
1,800〜2,300円
味わいレーダーチャート
香り甘みキレ余韻個性
4象限ポジション
辛口甘口淡麗濃醇 爽快・キレ系穏やか・優しい系どっしり辛口芳醇・甘口

料理ペアリング

白身魚の刺身 天ぷら(塩) あさりの酒蒸し 鶏の塩焼き

この銘柄のタグ

編集長レビュー

編集長 丸山
日本酒愛好家・延べ1000銘柄を試飲

来福(らいふく)の花酵母路線のなかでも、酒米の希少性で目を引くのがこの純米吟醸 愛山。茨城県筑西市・来福酒造が、兵庫県産の酒造好適米「愛山」を50%まで磨き、「ツルバラ」の花酵母で仕込んだ一本だ。愛山は山田錦と雄町の血を引く米で、栽培が難しく生産量が少ないため、扱う蔵そのものが限られる。来福の定番ラインで愛山を四合瓶2,000円前後で出してくる懐の深さに、まずこの蔵の姿勢が表れている。

香りはツルバラ花酵母らしい華やかさで、白い花やリンゴ、洋梨を思わせる立ち香が控えめに上がる。同じ来福でも山田錦の純米吟醸(月下美人酵母)が端正で素直な香りだったのに対し、こちらは果実のふくらみがひとまわり大きく、香りに丸みがある。愛山という米の甘みの素地と、ツルバラ酵母の香りが重なって、開栓直後から華やかな印象を作る。

口に含むと、愛山由来のやわらかい甘みと旨みがふくよかに広がる。日本酒度+1・酸度1.1(蔵元・販売店公表値)という数字どおり、甘辛のバランスはほぼ中庸で、後口はキレのある辛味ですっと締まる。甘みの量感はあるのに重く残らない、この引き際の良さが愛山×花酵母の妙だと感じる。温度帯は冷酒(8〜12℃)が香りと甘みのバランスが最も整い、常温にすると米の旨みが前に出てくる。

ペアリングは、白身魚の刺身、塩で食べる天ぷら、あさりの酒蒸し、鶏の塩焼きなど淡い味付けの和食が好相性。甘みに厚みがある分、雄町版ほど辛口の食中酒には振れておらず、素材の甘みを持つ料理と合わせると互いに引き立つ。脂の強い料理に当てると繊細な甘みが押されやすいので、軽めの料理に寄せるのが正解だと見ている。

価格は四合瓶(720ml)で実勢1,800〜2,300円ほど。希少米・愛山を、ツルバラ花酵母の華やかさとともにこの価格で楽しめるのは、来福ならではの設計だと編集部としては受け止めている。山田錦版が端正・素直なら、愛山版は華やかでふくよか。同じ蔵の花酵母路線を米違いで飲み比べる起点として、まず手に取りやすい一本だ。