都美人 山廃純米 超辛口
兵庫県

都美人 山廃純米 超辛口

蔵元: 都美人酒造
山廃純米 原料米: 五百万石 精米歩合 55%
★ 4.5
★★★★☆
編集長 丸山評価

スペック

日本酒度
+14
酸度
2.1
アルコール度数
16%
価格目安
1,600〜2,000円
味わいレーダーチャート
香り甘みキレ余韻個性
4象限ポジション
辛口甘口淡麗濃醇 爽快・キレ系穏やか・優しい系どっしり辛口芳醇・甘口

料理ペアリング

焼き魚 もつ煮 おでん 鴨ロース

この銘柄のタグ

編集長レビュー

編集長 丸山
日本酒愛好家・延べ1000銘柄を試飲

兵庫県南あわじ市、淡路島に蔵を構える都美人酒造の山廃純米。担当した銘柄の正式名称は「都美人 山廃純米 超辛口」で、五百万石を精米歩合55%まで磨き、山廃仕込みで醸した一本だ。蔵は但馬杜氏の系譜を受け継ぎ、山廃造りを看板に掲げる。日本酒度+14という思い切った辛口設計の銘柄で、淡路島の食、とりわけ魚と肉の双方を受け止める食中酒として組み立てられている。

グラスに注ぐと、淡くわずかに黄味を帯びた色合い。香りは控えめで、上立ち香よりも含み香に山廃らしい乳酸系のニュアンスと、熟れた黄色い果実や麹を思わせる落ち着いた香りが潜む。吟醸香で華やかに迫るタイプではなく、燗にしたときに本領を発揮する造りらしい、静かで奥行きのある香り立ちだ。抜栓直後から尖りが少なく、山廃の酸が骨格として座っているのが分かる。

含むと、日本酒度+14・酸度2.1という数値が示す通り、シャープな辛口の骨格が舌の上をまっすぐ走る。ただ「超辛口=痩せた味」ではなく、山廃由来の力強い酸と五百万石の旨みが背後にしっかり乗るため、辛さの中に厚みがある。後半はキレ良く引いていき、後口に酸の余韻が残って次の一口を誘う。アルコール分は16度前後で飲みごたえがあり、冷やでは酸とキレが前に出る端正な表情だ。

真価が出るのは燗。ぬる燗(45℃)から熱燗(50〜55℃)へ上げていくと、辛口の角が和らぎ、米の旨みと山廃の酸が一体になって膨らむ。温度を上げるほど料理を待つ顔つきに変わり、冷やのシャープさとはまるで別の酒のように開いていく。山廃の超辛口がどう変化するかを温度帯で確かめる楽しみのある一本だ。

ペアリングは、味の濃い料理や脂のある皿が好相性。焼き魚、もつ煮、おでん、鴨ロースといった旨みと脂のある料理を、この酒の鋭い辛口と山廃の酸が受け止め、後口をすっきり整えてくれる。価格は四合瓶でおおむね1,600〜2,000円(実勢)。淡路の蔵が山廃と超辛口という一貫した思想で醸したこの一本は、辛口好き・燗酒好きに編集長が強く勧めたい個性派だ。