萬歳楽 純米
石川県

萬歳楽 純米

蔵元: 小堀酒造店
純米 原料米: 五百万石 精米歩合 70%
★ 3.9
★★★☆・
編集長 丸山評価

スペック

日本酒度
+2
酸度
1.5
アルコール度数
15%
価格目安
1,000〜1,300円
味わいレーダーチャート
香り甘みキレ余韻個性
4象限ポジション
辛口甘口淡麗濃醇 爽快・キレ系穏やか・優しい系どっしり辛口芳醇・甘口

料理ペアリング

鴨の治部煮 焼き魚 おでん 里芋の煮っころがし

この銘柄のタグ

編集長レビュー

編集長 丸山
日本酒愛好家・延べ1000銘柄を試飲

石川県白山市鶴来(つるぎ)、享保年間(1716〜1734年)創業の老舗・小堀酒造店が醸す「萬歳楽(まんざいらく)」。霊峰白山の伏流水を仕込み水に、白山麓産の五百万石を使った純米酒だ。能登半島地震からの復興応援企画でも純米酒がリリースされた、地元に根を張る蔵の定番として卓上で確かめてみた。(※「萬歳楽 純米」はシリーズにより仕様が分かれる。本稿は白山麓産五百万石・精米歩合70%・アルコール15度という公開仕様をもとに、日本酒度・酸度は非公開のため五百万石らしい代表値として+2前後・1.5前後と置いて評価している)

注いだ色はごく淡い山吹色。立ち香は穏やかで、蒸し米と麹の落ち着いた含み香が主体。精米歩合70%という磨きどおり、吟醸香を狙わず米の旨みで飲ませる設計だ。最初の一口は、白山の水を思わせる柔らかな口当たりから、中盤に五百万石の素朴な旨みが広がり、後半は軽やかにキレていく。

味の重心は中庸からやや軽め。甘みは控えめで、旨みと酸のバランスで飲ませる構成だ。冷やでも飲めるが、この酒の本領はぬる燗〜上燗(40〜50℃)にある。温度を上げると米の甘みがふくらみ、旨みが舌の上で長く続く。燗冷ましまで美味しく追える、温度に強いタイプだと感じた。

合わせたいのは加賀の食卓。鴨の治部煮や里芋の煮っころがし、おでん、焼き魚といった出汁の効いた郷土料理に寄り添う。しっかりした味付けの煮物と燗酒で合わせると、互いの旨みが共鳴する。

突出した個性で記憶に残るタイプではないが、300年続く蔵の地力がそのまま出た、過不足のない晩酌酒。加賀の伝統蔵の「平熱の旨さ」を手頃な価格で味わいたいときに、まず選びやすい一本だ。