

愛知県江南市の勲碧酒造は大正4年(1915年)創業。地元・尾張の食文化に寄り添う酒を醸してきた蔵で、近年は愛知県が育成した新しい酒造好適米「夢吟香(ゆめぎんが)」を積極的に使いこなしている。2025年には純米大吟醸が「ミラノ酒チャレンジ」で金賞を受けるなど、技術面でも評価を伸ばしている蔵だ。
この「夢吟香」を協会10号系酵母で醸した純米吟醸は、無濾過原酒ならではの瑞々しさが身上。香りは穏やかめで、メロンや青リンゴを思わせる吟醸香がほのかに立つ。一口含むと、夢吟香らしいふくよかな甘旨が前に出て、原酒由来のボリューム感を程よい酸が受け止める。原酒だが重さでもたつくことはなく、後口は思いのほかすっきり引いていく。
冷酒(8〜12℃)で香りと甘旨のバランスが最もきれいに開く。ワイングラスに注ぐと香りが立ち、食前の一杯にも向く。原酒のため度数はやや高めで、冷やしてゆっくり傾けたい。
ペアリングは、白身魚の刺身、塩で食べる天ぷら、鶏の塩焼き、冷奴など。素材の甘みを引き出す淡めの料理と相性が良い。
四合瓶でおよそ1,980円。この価格で無濾過原酒の純米吟醸が楽しめるコストパフォーマンスは魅力的だ。日本酒度・酸度は公式に非公開のため、本記事では純米吟醸クラスの飲み口に整合する参考値を記載している。実際の数値はラベルや蔵の表記で確認したい。